結城紬

〜結城紬とは?〜


結城紬の源流は、久慈郡地方に住んだ長幡部が織った絹織物である「絁(あしぎぬ)」。

本格的な「結城紬」の生産は江戸時代から。当時は無地の平織りで、柄は縞が圧倒的に多く、絣模様が作られるようになるのは幕末からです。明治以降、日本各地の織物産地が地機から高機→足踏織機→電動へと機械化が進むなか、結城紬は終始「地機」でした。
伝統的な生産方法を守りながら、高級な織物にしてきた過程が、明治以後の近代結城紬の歩みです。

1956年「糸つむぎ」「絣くくり」「地機織り」の技術が国の重要無形文化財に指定。2010年には、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。結城紬は、今も昔ながらの手作業で一つの反物に仕上がります。


結城紬ができるまで

真綿かけ
繭を重曹を入れた熱湯の中で約1時間煮ます。
煮た繭を水で洗います。
この繭をお湯の中で広げて袋状にし、5.6個重ねて一枚にして大きく袋状に形を整えながら袋真綿にします。

糸とり
「つくし」と呼ばれる竹の上部にモロコシの殻を付けた道具に、真綿を広げてかけます。
真綿から指で糸を引き出し、つばをつけながら指で撚りを加えます。
撚りをかけた糸は、「おぼけ」の中に落とされます。

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染色
昔の結城紬は藍を使っていましたが、現在は化学染料に切り替わっています。
染色は色むらを防ぐため、上下に返しながら染色を行います。

染色した後、手つむぎ糸自体は撚りがないため弱く、織機で織れるようにするため、小麦粉を溶いたお湯で糊付けをします。

絣くくり(絣しばり)
絣模様のある反物は、設計図案に合わせて糸に墨付けをします。墨付けした部分を木綿糸で固くしばります。(写真)
この糸をたたき染めすることで、木綿糸でしばられた部分は染まらず模様として残り、これが反物の絣模様になります。

機のべ
のべ台で往復しながら整経します。経糸の総本数は1340本。整経長は14メートルです。

おさ通し
くし状になっているおさ羽の間に、上糸と下糸をそれぞれ1本ずつヘラで差し込んでいきます。

機巻き
おさに通した経糸を、まっすぐになるよう一定の張力をかけて「緒巻き」に巻きつけます。
途中で糸のズレを防ぐため「機草」を巻き込みます。

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機織り
「地機」は、日本で最も古い織機と言われています。経糸の張力を織り手の腰で調節し、大きな杼で緯糸を打ち込みます。

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