「吉田璋也のデザイン」茨城県陶芸美術館 2026/4/6

最近、美術館や博物館に展示されている「布」を眺めることが好きです。
時代は?素材は?染色方法は?という資料的なことから、
どんな人が、誰に向けて、どんな思いで作ったのか?
情景を思い浮かべながら、ぼんやりと眺めます。
何十年、何百年も経た布には、不思議な魅力があります。

丹波布 19世紀

縞模様、一つ一つに物語があり、同じものはありません。
大量生産は、誰にでも受け入れられる「無難な布」
人の手によって作り出される工芸品は「作り手の想いがこもった布」
これが、魅力的な布になる一つの要素。


染色「はじめの一歩」

2026.2.21
いつもの里山へ。
果樹園の梅たちは、ちょうど花の咲く時期。
まず、染色用の梅の木を選ぶ。
一番奥のひっそりと生えている木に決定。
枝艶の良い、剪定鋏で切れる程度の太さの枝を選ぶ。
「明るいピンクになるかな?」と選んだ枝。

2026.2.22
早起きして、
梅の枝と手つむぎ糸をリュックに詰め込み、
草木染め・織物作家のMさんに染色を教えてもらうため、
電車に乗って三鷹へ。

Mさんとは、1年半ほど前、
結城紬の下ごしらえ研修で偶然お会いしてからのお付き合い。
これまた偶然、同い年、学生時代を過ごした場所も近い。
話したいことは、山盛りなのですが!
染色はとにかく時間がかかるので、まずは、染色スタート。

草木染めの場合、どんな色に染まるかは、
染めてみてからのお楽しみ。

1回目の煮出し液は、茶とピンクが混ざったような濃い色。
2回目の煮出し液は、明るいピンク。


1回目と2回目の煮出し液を鍋に入れて、
糸をつけると!
明るいピンク変わっていく!!!


染色は「煮出し時間」「冷ます時間」待ち時間が多い。
この時間を有効活用して!
染め方、必要な道具、糸の扱い、注意事項など
いろいろと教えていただく。
・アルミ媒染と鉄媒染では、道具を共有しないこと。
・ちょっとした道具の作り方や洗い方。
・火傷予防のプチ工夫。
初心者の立場に寄り添った、丁寧で分かりやすい指導。
質問や疑問を問いかけやすいMさんの柔らかなお人柄。
自己紹介、昔話、これからやりたいこと、楽しいおしゃべりタイムも。
お忙しいところ、染色教室の機会を作っていただいたことに、
心から感謝です。

草木染めをして気がついたこと。
化学染料は、人間が求めている色を均一に大量に染める。
大量生産、効率化を可能にした「人間主体」の染色方法。
一方、草木染めは、自然なかたちの染色方法。
もちろん、求めている色を染めるために、先人たちが工夫を積み重ねた
「知恵の結晶」ではあるのですが、手間と労力を惜しみなくかけ、
自然を中心に捉えているという点で大きく違うと感じました。

里山との出会い

我が家から車で20分ほどの場所に、宍塚大池を囲む広大な里山が広がっています。10年ほど前、幼稚園児だった娘と自然観察会に参加したことがきっかけで、母娘の里山通いが始まりました。

娘は、大好きなイモムシ探しから始まり、キノコ観察会で大きな「アカヤマドリ」を見つけてからはすっかりキノコの虜に。

四季を通して親子で里山を楽しむ日々。里山に携わる方々から、虫のこと、植物のこと、山菜、木の剪定、里山の歴史など、たくさんのことを学んでいます。使われなくなった里山をボランティアというかたちで保全するスタッフ方には、感謝しかありません。

生活が便利になるにつれて、使われなくなった里山ですが、利用すること=保全だと感じています。里山って、食べ物の宝庫なんです。春は、フキノトウから始まり、タケノコ、セリ、ミツバ。夏が近づいてくると、桑の実やモミジイチゴ、雨が多いとキクラゲもたくさん。放置状態だった梅の木も、剪定を始めたら少し元気になって、たくさんの実をつけてくれます。秋になるとアケビ、ムカゴ、クルミ、柿に栗、寒くなってきたらヒラタケやエノキのシーズン。収穫ほど楽しいものはありません!

そして、里山は染料の宝庫でもあります。剪定した梅の枝、ニホンアカネの根、クサギの実やクルミの未熟な実、ヌルデの五倍子など。ふと、里山と機織りって繋がっているんだ!?と気が付いて「私がやりかったことはこれだ!」と嬉しくなりました。

里山には、桑の木もあります。蚕を育て、繭から真綿を作り、糸をつむぐ。里山の植物で糸を染めて、機を織る。一昔前までは、自然に営まれてきた流れに気付くのに、だいぶ時間がかかりました。やっと見つけた「やりたいこと」に向かって、進んでいきたいと思います。

nanohana orimono 立ち上げ

自分の名前の由来から、nanohana orimonoに決定。
ローマ字表記にすると、丸っぽくてかわいらしいのも気に入っています。

私は、形から入るタイプ。
名前が決まったら、次はロゴ!
季節はちょうど春。菜の花を摘んできて、お絵描き。


ロゴができたら、名刺、ホームページ、ネットショップ、YouTube。。。
眠っていた一眼レフカメラも取り出してきて、写真の練習。。。
ちょうどコロナ禍で時間があったのもあり、着々と準備。

さて次は、何を織る?
手つむぎ糸を肌で感じてほしい! 
ということで、ストールに決定。
使ってみた感想は、ふわっと軽くて温かい。
首に巻いても、重さを感じないので疲れません。
ちょっと汗ばむ季節でも、速乾性があるのでサラッとベタつくことなく心地よし。
使い込むほどに、糊が抜けて柔らかくなる結城紬。
長く愛用いただくことで、変化を楽しんでいただけるストールなのですが。
販売のノウハウがないので、必要としてくれる方になかなか巡り会えない。。。
まあ、焦っても仕方ないので、気長に待つことに。

さて、結城紬は、分業制。
私は、織りしかできないので、織りまでの下ごしらえは「機屋」さんにお願いします。
ある時、「手つむぎ糸が手に入りにくいから、ちょっと時間かかるよ」と言われて。
うーん。産地の状況を考えると、手つむぎ糸が減少していくことは確実。
糸とりといえば、縁側でおばあちゃんが日向ぼっこしながら糸をつむぐイメージですが。
時代は変わり、そんな光景は昔話の世界。

糸とりって、真綿から糸を引き出してはつむいでいく、なんとも地味な仕事なのですが、
無になれる時間でもあり、ラジオを聴きながらリラックスできる時間でもあり。
ストレスフルな時代の息抜きにぴったり🎶
そうよ!糸がないなら、取ればいいじゃない?という発想で糸とりから始めることにしました。

手つむぎ糸の単位は、「おぼけ」と呼ばれる桶一杯分=1ぼっち(約100g)で取引されます。
1反の着物に必要な糸量は約7ぼっち。
ちなみに、私が1ぼっちの糸とりにかかった時間は約70時間。
1ぼっち(70時間)×7=1反分の糸とり時間(490時間)
こりゃ大変だわ。
でも、急ぐ必要もないし。
ちょっと立ち止まって考える時間もできて、ちょうど良いです。

糸をつむぎながら、思うこと。
蚕を育て、真綿を作り、糸をつむいで、機を織り、着物に仕立てる。
急ぎ過ぎてる世の中に、緩やかなブレーキをかけられるのでは?と思う日々。
なにも、ぜーんぶ、昔ながらの手仕事に戻るわけではなく。
機織りでもいいし、裁縫でも、編み物でも。
衣服にこだわらず、DIYでも、家庭菜園でも。
衣食住って、もともとは、暮らしの中にあったのだから。。。
お金で、なんでも買える時代に変わったけど、
自分の手を使い、生きていくためのなにかを作る時間って大切だと感じています。

織り子としての日々

結城紬との出会い

結城紬下ごしらえ研修会4日目 2024/12/13

4日目は機巻きです。

経糸を伸ばして巻いていくので、長さが必要。

経糸を固定する道具は建物の外に設置。

扉は開けっぱなし状態。。。寒い。。。

みんなで糸をさばきながら巻いていくのですが、経糸が切れて切れて進まない。

経糸をさばくにもコツがあり、社長のスピードについていけない💦

そんな時に社長がつぶやいたお言葉

「仕事だから、でれでれやってもしょうがない。」

確かに。。。効率よく進めなければ。。。

糸をさばいては巻き。

切れた糸は、糸道を見ながら相手を探し、見つけて、繋ぐ。

切れてはつなぎの繰り返し作業。

根気のいる作業です。

社長のお家では、社長と奥さんのお二人で機巻きするのですが、

時間がかかればかかるほど、会話がなくなるね。とお話してました。

お二人のお気持ち、納得できます。

さて、研修は4日で終了の予定でしたが。。。

機巻きの途中で終わってしまいました!

せっかくなので、引き続きやりましょう〜となり。

1/4.1/5に追加で研修会をおこないます。

また、みなさんにお会いできるのが楽しみです。

結城紬下ごしらえ研修会3日目 2024/12/12

3日目は、Oさんの生徒さんと結城紬の織り子経験者のMさんも加わり、

大人数、賑やかな講習会となりました。

まずは、整経が終わった経糸の糊付け作業。

小麦粉の濃度18%の液につけるのですが。

小麦粉の種類、ダマにならないような溶き方、お湯の温度、などなど。

たくさんのポイントがありました。

社長のお言葉

「経糸の糊付けが上手くいけば、下ごしらえは成功」

と言われるくらい、糊付けがポイントとのお話。

この後に続く、機巻きや機織りも、経糸の具合で作業のやりやすさが格段に違います。

糊付け後は、経糸を吊って、どんどん乾いていく糸を手早くさばきます。

人手があるほど、効率が良いです。

乾燥しているので、あっという間に乾きます。

その後は、筬通しの準備。

綾の部分を、一つ一つほぐします。

綾を崩さないよう、丁寧に作業。

指を使う作業が、とても多いです。。。

やっと、筬通し。

670箇所に、上下の経糸2本を通していきます。

これが、見えない見えない。

「から」と呼ばれる、筬目を飛ばして通さないように。

「4つ入れ」と呼ばれる、一つの筬目にダブって通すことがないように。

細心の注意を払って、通していきます。

3日目は筬通しで終了。

慣れない作業で体がカチコチ。。。

結城紬下ごしらえ研修会2日目 2024/12/10

昨日に引き続き、管巻き。

やっと、午前中に終わり、午後から整経スタート。

22本の管を設置し、整経台に延べていきますが。

まずは、縞のパターン決め。

筬目670(反物横幅の糸の本数)÷22=30 で、この22本の縞模様が30並びます。

下ごしらえは、計算が必須。

まずは、社長の見本からはじまり、メンバー順々に延べました。

人が変わると、延べ具合も変わる。。。

社長はゆったり長め、研修生はキツキツで短め。

2日目の社長のお言葉

「整経は、はじめの人に合わせるべき」

初心者には、難しいですねー。

1延べごとに、綾をとります。

どんな縞になるのか、楽しみ🎶

結城紬下ごしらえ研修会1日目 2024/12/9

結城市、伝統工芸コミュニティーセンターでおこなわれた、

結城紬の下ごしらえ研修会に参加。

参加申し込みなしの研修会、どんなメンバーが集まるのから?とドキドキでした。

参加メンバーは3名。

同じ機屋さんの後輩S氏と初めましてのOさんと私。

なんと、Oさんは30年前に住み込みの織り子として結城紬を織っていた経験者で、

その後、東京で機織り教室を開いている大先輩。

結城紬の織り子さんは、機屋さんに所属しているので、

他の機屋さんの方と接することが、少ないです。

なので、境遇が違う織り子さんとの出会いは嬉しいです🎶

さてさて、1日目の研修は、

「整経用の経糸糊付け」と「管巻き」

経糸の必要量は、

着尺の長さ38.4尺×筬目670箇所×2(上糸下糸)

というわけで、糊付けした糸をひたすら管巻き

糸の太さにムラがあり、

細いところでプチプチ切れる。

前途多難な予感。。。

研修の先生は、機屋さんの社長。

本日の社長のお言葉

「下ごしらえは糸巻きが仕事」